Azure AZ-900合格ガイド|AWS経験者が2週間で受かる学習戦略

Aws Basics

「AWSはある程度わかるけど、Azureの資格も取っておいたほうがいいのだろうか」——マルチクラウドが当たり前になった現場で、こんな悩みを抱えるエンジニアが増えています。

結論から言うと、AWS経験者にとってAzure Fundamentals(AZ-900)は最もコスパの良い資格の一つです。クラウドの基本概念はAWSで身についているため、Azureとの「読み替え」さえできれば、短期間で合格を狙えます。

この記事では、AZ-900の試験範囲と出題傾向を整理し、AWS経験者が効率よく2週間で合格するための学習戦略を解説します。AWSサービスとの対比表や、頻出ポイントの攻略法まで実践的にお伝えします。

Azure AZ-900合格ガイド|AWS経験者が2週間で受かる学習戦略

AZ-900はどんな試験か

Azure Fundamentals(AZ-900)は、Microsoft Azureの基礎知識を問う入門レベルの資格です。クラウドの概念、Azureのコアサービス、セキュリティ、料金体系といった幅広い範囲が出題されますが、深い技術知識は求められません。

試験の基本情報

項目 内容
試験コード AZ-900
問題数 40〜60問(択一式・複数選択式・ドラッグ&ドロップ等)
試験時間 45分(+準備時間あり)
合格ライン 700点 / 1000点
受験料 13,200円(税込、2026年3月時点)
有効期限 なし(Fundamentalsレベルは更新不要)

AWS認定と大きく異なるのは、AZ-900に有効期限がないことです。一度取れば更新の手間がかからないため、「とりあえず取っておく」戦略が成り立ちます。試験はPearson VUEのテストセンターまたはオンラインで受験可能です。

AWS経験者にとってのAZ-900の位置づけ

AZ-900はAWSで言えばCloud Practitioner(CLF-C02)に相当する試験です。ただし、AWSのSAA-C03やCLF-C02をすでに持っている方にとっては、クラウドの概念問題はほぼ復習です。学習の大半は「AWSサービスのAzure版は何か」を覚える作業になります。

AZ-900の出題分野と配点比率

AZ-900は3つのドメインで構成されています。AWS経験者にとって有利な分野と、Azureの独自概念を重点的に学ぶべき分野を把握しておくと、学習効率が上がります。

ドメイン 内容 配点比率 AWS経験者の有利度
クラウドの概念 IaaS/PaaS/SaaS、共有責任モデル、スケーラビリティ 25〜30% 非常に有利
Azureのアーキテクチャとサービス コアサービス、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ 35〜40% 読み替えで対応可
Azureの管理とガバナンス コスト管理、ガバナンスツール、監視、デプロイツール 30〜35% Azure固有の知識が必要

「クラウドの概念」はAWSで身につけた知識がそのまま使えます。配点の25〜30%をほぼノー勉で取れるのは、AWS経験者の大きなアドバンテージです。一方、「管理とガバナンス」にはAzure Policy、Azure Blueprints、Microsoft Defender for CloudなどAzure固有のツールが多く、ここが学習の重点分野になります。

Azure AZ-900合格ガイド|AWS経験者が2週間で受かる学習戦略 - 解説

AWSとAzureのサービス対比表

AWS経験者がAZ-900を効率的に攻略するための最大の武器は「サービスの読み替え」です。以下の対比表を頭に入れておくだけで、かなりの問題に対応できます。

コンピューティング

AWSサービス Azureサービス 補足
Amazon EC2 Azure Virtual Machines 仮想マシン。概念はほぼ同じ
AWS Lambda Azure Functions サーバーレスコンピューティング
Amazon ECS / EKS Azure Container Instances / AKS コンテナサービス。AKSはマネージドKubernetes
AWS Elastic Beanstalk Azure App Service PaaS型のWebアプリ実行環境

ストレージ

AWSサービス Azureサービス 補足
Amazon S3 Azure Blob Storage オブジェクトストレージ。S3バケット≒コンテナ
Amazon EBS Azure Managed Disks ブロックストレージ。VMにアタッチ
Amazon EFS Azure Files ファイル共有。SMBプロトコル対応
Amazon S3 Glacier Azure Blob Storage(アーカイブ層) 長期保管用の低コストストレージ

ネットワーク

AWSサービス Azureサービス 補足
Amazon VPC Azure Virtual Network(VNet) 仮想ネットワーク。概念はほぼ同じ
Elastic Load Balancing Azure Load Balancer / Application Gateway L4はLoad Balancer、L7はApplication Gateway
Amazon Route 53 Azure DNS DNSサービス
Amazon CloudFront Azure CDN / Azure Front Door CDN。Front DoorはWAF統合型
AWS Direct Connect Azure ExpressRoute 専用線接続。オンプレとの閉域接続

データベース

AWSサービス Azureサービス 補足
Amazon RDS Azure SQL Database / Azure Database for MySQL等 マネージドRDB
Amazon DynamoDB Azure Cosmos DB NoSQL。Cosmos DBはマルチモデル対応

セキュリティ・ID管理

AWSサービス Azureサービス 補足
AWS IAM Microsoft Entra ID(旧Azure AD) ID管理。Entra IDはActive Directory由来
AWS WAF Azure WAF Webアプリケーションファイアウォール
AWS KMS Azure Key Vault 鍵管理・シークレット管理
Amazon GuardDuty Microsoft Defender for Cloud 脅威検知。Defenderは範囲が広い

この対比表を手元に置きながら学習を進めると、「ああ、AWSの〇〇と同じか」と理解が一気に進みます。特にAZ-900では各サービスの細かい設定までは問われないため、「何ができるサービスか」をサービス名から連想できれば十分です。

AWS経験者向け 2週間合格プラン

AWSの基礎知識がある前提で、2週間で効率よくAZ-900に合格するための学習スケジュールを紹介します。1日あたり1〜2時間の学習を想定しています。

1. 第1週: Azureの全体像と独自概念を押さえる

Day 1〜2: Azureのインフラ構造を理解する

AWSと最も異なるのが、Azureのリソース管理の階層構造です。ここはAWSにない概念なので、しっかり押さえましょう。

管理グループ: 複数のサブスクリプションをまとめて管理する最上位の階層。AWS Organizationsに近いが、より柔軟なツリー構造
サブスクリプション: 課金の単位であり、リソースの論理的な境界。AWSアカウントに相当
リソースグループ: リソースをまとめる入れ物。AWSには直接の対応概念がなく、Azure独自の考え方
リージョンと可用性ゾーン: AWSのリージョン/AZとほぼ同じ概念。Azureは「リージョンペア」という冗長化の仕組みが独自

Microsoft Learnの「Azure の基礎」ラーニングパス(無料)を一通り読むと、この階層構造が整理できます。

Day 3〜4: コアサービスの読み替え

前述のサービス対比表を使って、Azureのコアサービスを把握します。AZ-900では各サービスの詳細設定は問われないため、「どのサービスがどの用途に使われるか」を押さえるだけで十分です。

Day 5〜7: Azure固有のガバナンスツール

AWS経験者が最も手こずるのがこの分野です。以下のツールはAWSと名称も概念も異なるため、重点的に学習します。

Azure Policy: リソースの作成時にルールを強制する仕組み。AWS Config Rulesに似ているが、より強力に作成を「拒否」できる
Azure Blueprints: ポリシー、ロール割り当て、テンプレートをパッケージ化して環境を一括展開。AWS Control Towerに近い概念
Azure Resource Manager(ARM)テンプレート / Bicep: IaCツール。AWS CloudFormationに相当
Microsoft Cost Management: コスト分析・予算アラート。AWS Cost Explorerに相当
Azure Monitor: メトリクス収集・アラート。Amazon CloudWatchに相当
Azure Arc: オンプレやマルチクラウドのリソースをAzureから一元管理。AWSにはない独自機能

2. 第2週: 模擬試験と弱点補強

Day 8〜10: 模擬試験を繰り返す

Microsoft Learnには無料の練習用評価テストが用意されています。まずこれを解いて、理解度を確認しましょう。

# Microsoft Learn 練習用評価テストのURL # https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/azure-fundamentals/ # 「練習用評価を受ける」から無料で受験可能

正答率が80%を超えるまで繰り返し解きます。間違えた問題は「なぜその選択肢が正解か」を必ず確認し、対比表に追記していきます。

Day 11〜12: 弱点分野の集中学習

模擬試験で正答率が低かった分野を洗い出し、Microsoft Learnの該当モジュールを読み直します。AWS経験者が間違えやすいのは、以下のような「AWSと微妙に違う」ポイントです。

共有責任モデル: 概念はAWSと同じだが、Microsoftの図表に沿った出題がある
SLAの考え方: Azureでは各サービスごとにSLAが定義され、可用性の数値が問われる
サポートプラン: Basic、Developer、Standard、Professional Direct、Premierの5段階。AWSのサポートプランとは名称・内容が異なる
Azure Marketplace: サードパーティ製品の入手先。AWS Marketplaceに相当するが、出題頻度が高い

Day 13〜14: 最終確認と本番

直前は新しい知識を詰め込むよりも、対比表の見直しと頻出用語の確認に集中します。AZ-900は45分と短い試験なので、時間切れの心配はほぼありませんが、問題文をしっかり読む習慣をつけておきましょう。

AZ-900の頻出テーマと攻略ポイント

実際の試験で特によく出題されるテーマを整理します。

クラウドモデルの比較(IaaS / PaaS / SaaS)

AWS経験者なら概念は理解しているはずですが、AZ-900ではAzureの具体的なサービスと紐づけて問われます。

モデル Azureサービス例 AWSでの対応
IaaS Azure Virtual Machines Amazon EC2
PaaS Azure App Service、Azure SQL Database Elastic Beanstalk、Amazon RDS
SaaS Microsoft 365、Dynamics 365 Amazon WorkMail等(ただしAWSはSaaS少なめ)

「このサービスはIaaS/PaaS/SaaSのどれか」という形式の問題が頻出です。判断基準は「OSの管理をユーザーがやるか」です。OSを管理するならIaaS、アプリだけ載せるならPaaS、何も管理しないならSaaSと覚えておけば迷いません。

Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)

AZ-900で最も出題頻度の高いサービスの一つです。AWS IAMとは設計思想が大きく異なるため、注意が必要です。

AWS IAMとの違い: AWS IAMはAWSリソースへのアクセス制御に特化しているのに対し、Entra IDはMicrosoft 365やSaaSアプリへのシングルサインオン(SSO)も含む統合ID基盤
多要素認証(MFA): Entra IDの標準機能として提供。出題頻度が高い
条件付きアクセス: 場所、デバイス、リスクレベルに応じてアクセスを制御。AWSにはない概念
テナント: Entra IDのインスタンス単位。組織ごとに1つのテナントが基本

Azure のコスト管理

AWSのコスト管理と考え方は似ていますが、ツールの名称が異なります。

料金計算ツール: Azure料金計算ツール(Pricing Calculator)で事前見積もり。AWS Pricing Calculatorに相当
TCO計算ツール: オンプレとAzureのコスト比較ツール。AWSにはない独自ツールで、出題頻度が高い
Cost Management: 実際の使用量とコストの分析。AWS Cost Explorerに相当
タグによるコスト管理: リソースにタグを付けてコストを分類。AWSと同じ考え方

よくある失点パターンと対策

失点パターン 原因 対策
AWSの名称で回答してしまう 対比表が頭に入っていない Azureの正式名称を反復して覚える
リソース階層の問題で迷う 管理グループ→サブスクリプション→リソースグループの階層が未整理 階層図を自作して壁に貼る
ガバナンスツールの区別がつかない Azure Policy、Blueprints、RBACの違いが曖昧 「何を制御するか」で整理(Policy=リソース作成ルール、RBAC=操作権限、Blueprints=環境の一括展開)
SaaSの例を間違える AWSの感覚でPaaSとSaaSを混同 Microsoft 365=SaaS、App Service=PaaSと具体例で覚える

合格後のステップアップ

AZ-900を取得した後のキャリアパスも簡単に紹介します。

次の資格 レベル 対象者
AZ-104(Azure Administrator) アソシエイト Azureの運用管理を担当するインフラエンジニア
AZ-305(Azure Solutions Architect) エキスパート Azureの設計・アーキテクチャを担当するエンジニア
AZ-500(Azure Security) アソシエイト Azureのセキュリティを担当するエンジニア

AWS SAA-C03を持っている方がAZ-900を取得すると、履歴書上で「マルチクラウド対応」をアピールできます。近年の求人ではAWSとAzureの両方を求めるケースが増えており、両方の基礎資格を持っていることは実務面でもキャリア面でも強みになります。

Azure AZ-900合格ガイド|AWS経験者が2週間で受かる学習戦略 - まとめ

本記事のまとめ

Azure AZ-900は、AWS経験者にとって最も効率よく取得できるクラウド資格の一つです。クラウドの基本概念はAWSで習得済みなので、学習の中心は「AWSサービスをAzureに読み替える作業」と「Azure固有のガバナンスツールを覚える作業」の2つに絞られます。

対比表を活用してサービス名の読み替えを効率化し、Azure Policy・Blueprints・Entra IDなどAzure独自の概念に学習時間を集中させれば、2週間での合格は十分に現実的です。

まずはMicrosoft Learnの無料ラーニングパスを開いて、AWSとの違いを確認するところから始めてみてください。

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